さらに、エナメル質は小柱構造(小さな小柱が束になっている)のためどうしても光が通過しやすく、象牙質の色が透けて見えてしまいます。ホワイトニング剤の作用は歯の有機性着色物質を白くするだけでなく、エナメル質表面の構造を角状から球状に変化させています。
これにより光の乱反射が起こり象牙質の色が透けて見えなくなります。これをマスキング効果と言い、歯が白くなる原理の2つ目です。
⻭の⾊が暗くなる原因には以下のようなものがあります。
これらの⾊素は⻭の表⾯に付着するだけでなく、内部に染み込むことがあります。
ホワイトニングで歯が白くなる原理は、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素が分解されるときに発生するフリーラジカルによるものです。フリーラジカルは不安定な物質で、歯の着色物質と結びついて安定しようとします。
この結びつきによって着色物質が分解され、歯が白くなります。(漂白作用)
過酸化水素は組織、細菌、血液、胆汁などに存在するカタラーゼで分解され、フリーラジカルが発生します。フリーラジカルには、漂白作用があり、歯のホワイトニングに応用されています。
なお、過酸化水素からフリーラジカルを多く発生させるには、
などの方法があります。
フリーラジカルが有機性着色物質を分解して低分子の無色の物質となることにより漂白作用が発現します。
また、神経を守る象牙質の色は黄褐色で、加齢とともに象牙質は厚くなり、逆にエナメル質は擦り減って薄くなっていくので、象牙質の色が目立つようになり、歯がさらに黄ばんで見えることも変色の原因です。
さらに、エナメル質は半透明な構造で、例えエナメル質内の有機性着色物質を全て白くしたとしても、象牙質の色が透けて見えてしまい、歯は白く見えません。
さらに、エナメル質は小柱構造(小さな小柱が束になっている)のためどうしても光が通過しやすく、象牙質の色が透けて見えてしまいます。ホワイトニング剤の作用は歯の有機性着色物質を白くするだけでなく、エナメル質表面の構造を角状から球状に変化させています。
これにより光の乱反射が起こり象牙質の色が透けて見えなくなります。これをマスキング効果と言い、歯が白くなる原理の2つ目です。
過酸化尿素は、酸化反応の課程で(オフィスホワイトニングの主成分である)過酸化水素に変化します。
過酸化水素は口の中で温められて水と反応すると、活性酸素(フリーラジカル)が生成さます。
この活性酸素が着色汚れ・黄ばみを分解し、無色透明にすることで歯が白くなっていきます。
自分の歯であり虫歯などがなければ、基本的にどの歯も白くすることができます。
着色や茶渋など歯の表面についた色に限らず、歯そのものの色も白くできるのがホワイトニングです。
詰め物や被せ物など、人工物はホワイトニングをしても白くすることができません。白くしたい場合は、詰め物、被せ物を希望の色で作り直す必要があります。
そのためいずれ歯を白くしたいと考えている場合は、先にホワイトニングをし、ホワイトニング後の歯の色に合わせて詰め物や被せ物を作った方が経済的です。
ホワイトニングはエナメル質表面に塗布しますが、エナメル質は無機質96% 水2% 有機質 2%で構成されているため、有機質をターゲットしているホワイトニングでは適切な濃度で使用すれば、歯は脆くなったりしません。
ホワイトニングの適切な濃度は、オフィスホワイトニングでは30~35%程度、ホームホワイトニングでは10%程度です。
過酸化水素は医薬品であるため、歯科医院でしか使用が認められていません。
歯科医院では、漂白効果のあるホワイトニング剤を取り扱っており、有資格の歯科医師や歯科衛生士がホワイトニング処置を行っています。
セルフホワイトニング店では医薬品を使用できないため、歯の汚れを落とすもしくは表面上の着色を落とす効果のみに留まります。
ホワイトニングは、一般的に18歳以上が対象とされています。これは18歳を迎えると永久歯が完全に発育し、エナメル質が成熟しているためです。
18歳未満では歯の成長と発達がまだ完全ではないため、ホワイトニングの薬剤による影響を受けやすく、歯にダメージが出る可能性があります。
ホワイトニングには年齢の上限は基本的にありませんが、歯の状態によって適した治療方法が異なります。
歯や歯茎の状態が良ければ、60歳、70歳になってからでもホワイトニングを受けることは可能です。高齢になっても健康な歯をお持ちで、審美面に強い関心がある方はホワイトニングをされています。
後戻りを防ぐには、生活習慣の改善と定期的なメンテナンスが重要です。
ホワイトニングで得た歯の白さは永久に続くものではありません。時間の経過とともに次第に再着色します。再着色を予防するには、ホワイトニング後の食事がポイントです。
特に、ホワイトニング直後は注意が必要です。
ホワイトニング後24~48時間は、着色しやすい食べ物を控えましょう。
通常、歯の表面はペリクルという薄い被膜で覆われています。ホワイトニングを行うと、ペリクルが一時的に剥がれた状態になります。
ペリクルは、歯全体をコーティングして歯の表面のエナメル質を保護しているため、ペリクルが剥がれると外部からの影響を受けやすくなります。ペリクルが再びもとに戻るには、24~48時間かかるといわれています。
歯の表面のペリクルが再生する24~48時間までは着色しやすい飲食物を控えてください。 24~48時間経過後は歯の表面が通常の状態に戻りますが、日頃から特に着色しやすいものを控えることで、ホワイトニング後の白い歯を維持できます。
ホワイトニング後2~3時間は酸性が強い飲み物は控えて下さい。
具体的には、レモンやオレンジといった、♛橘系食品・飲料 、炭酸飲料 、ヨーグルト 、スポーツドリンク、アルコール類の摂取は控えましょう。
ホワイトニング剤の作用で、歯の表面を保護している膜が一時的に除去され、溶けやすい状態になっているためです。
ホワイトニング直後でも、着色しにくい食べ物であれば食べても問題ありません。色が白い食べ物をイメージすると分かりやすいです。
ホワイトニング後48時間経過するまでは、以下にご紹介する飲食物を選択するとよいでしょう。
ホワイトニング後に食べてもよいものは、以下のとおりです。
調理するときは、塩や出汁などで味付けしてください。醤油などの色が濃い調味料を使わないようにしましょう。
ホワイトニング後に飲んでもよいものは、以下のとおりです。
色がついていない飲み物を選びましょう。無色や白色のジュース類も問題ありません。
ホワイトニング後は着色しやすい状態なので、ポリフェノールやタンニンを多く含む食材は控えてください。
喫煙すると着色しやすいので、白い歯を維持したい場合は禁煙するのが理想でしょう。
ホワイトニング後に控えたほうがよい食べ物は、以下のとおりです。
レモンは色が薄いですが、酸味が強いので刺激を感じることがあります。ホワイトニング後は控えたほうがよいでしょう。
ホワイトニング後に控えたほうがよい飲み物は、以下のとおりです。
色はついていませんが、炭酸水も控えてください。歯の表面のカルシウムを溶かし、歯を傷つける可能性があります。歯が傷つくと、着色しやすくなります。
ホワイトニングは、次のような場合に行うことができません。
※無カタラーゼ症とは、体内で過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼが先天的に欠損している疾患です。遺伝的要素が強く、濃い血族結婚を繰り返している家系に多く見られます。
ホワイトニングなどの過酸化水素を含む薬剤を使用すると、口の中が荒れたり壊死を起こしたりするリスクがあります。
※妊娠、授乳中にはホワイトニングはできません。ホワイトニングで使用される過酸化水素や過酸化尿素が胎児に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
過酸化水素が気体化し、鼻や口から吸い込まれることで血液中のタンパクと反応し、小さな気泡を作ります。その気泡が母乳や、胎盤を通った血液から胎児の中に入ると、細い血管を詰まらせる可能性があるのです。
⻭科医院に通うことなく、ご⾃分の好きな時間に⻭を⽩くすることが可能なホワイトニング⽅法です。
初回のみ、⻭科医院にご来院いただき、ご⾃分に合ったマウスピース(カスタムトレイ)を作製いただきます。その後は、専⽤のホワイトニング剤をマウスピースに塗布し、⻭を⽩くしていきます。
現在では、カスタムトレイ不要のホームホワイトニング材も出てきています。
ひかりのき⻭科クリニックつくばでは、2種類のホームホワイトニング材料を使⽤しております。
オパールエッセンスは、コンポジット充填やベニア、クラウン等セラミックの補綴処置前の着⾊⻭に対するシェードチェンジにお勧めです。
オパールエッセンスは、先天性、全⾝性、薬理性、外傷性等の要因や加齢による⻭⽛ 内部の変⾊を効果的に取り除きます。フッ素沈着やテトラサイクリンによる染⾊にも効果があります。
また、オパールエッセンスは粘性が⾮常に⾼く、⼀般のホワイトニングジェルに⽐べ、トレーから漏れ出ることが少なく、このためソフトタイプのトレーを使⽤できるので、⼝腔内での着⽤時も不快感がありません。
オパールエッセンスでホワイトニングをした⽣活⻭は⻑期に渡ってシェードが持続します。
使⽤の⽬安は上下顎で1⽇1本、1⽇2時間まで、最⻑2週間までとなります。
オパールエッセンスGoはカスタムトレイ作製不要という簡便さを実現させたホームホワイトニングシステムです。
既成トレイにホワイトニングジェルが充填された新しいタイプのホームホワイトニング材で、⼝腔内の体温によって⻭列に合わせ形が変形するウルトラフィットトレイは使⽤後のお⼿⼊れ不要で単回使⽤のため場所を選ばず、好きな時にホワイトニングを⾏うことができます。
カスタムトレイ作製不要という利点を活かし、デュアルホワイトニングの提案にもオパールエッセンスGoは適しています。
使⽤時間は1⽇90分までです。(連続10⽇間使⽤可能)
ホームホワイトニングは、次のような人におすすめです。
※ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤を使用して、じっくりホワイトニングしていくので知覚過敏や歯茎の痛みは出にくいとされています。
オフィスホワイトニングとは、⻭科医院で⻭科医師や⻭科衛⽣⼠が施術する⻭のホワイトニングです。
薬剤を⻭の表⾯に塗布して光を照射することで、⻭の着⾊物質を分解・除去して⻭を⽩くします。
ひかりのき⻭科クリニックつくばではオパールエッセンスBOOST過酸化⽔素35%を使⽤しております。
オパールエッセンスブーストはシリンジ内で薬材を混合させる、オフィスホワイトニング材です。個⼈差はありますが約1時間から2時間の施術で結果を得られます。
オフィスホワイトニングは、早く白くしたい人や自宅でのセルフケアが苦手な人におすすめです。
ホワイトニング後の知覚過敏症状は、フッ素塗布を⾏うことでその症状を和らげることができます。
ホワイトニング後には⻭の感受性が⾼まっているため、フッ素も取り込みやすく⾍⻭予防効果が⾼まります。ホワイトニング後にはぜひフッ素⼊りの⻭磨きを使⽤して下さい
デュアルホワイトニングとは、⻭科医院で⾏うオフィスホワイトニングと、⾃宅で⾏うホームホワイトニングを併⽤する⻭の美⽩治療です。
ひかりのき歯科クリニックつくばでもデュアルホワイトニングをお勧めしております。